暦とパブリック・カラー
暦の歴史を詳しく説明していただきました。太陽・地球・月と暦との関係。太陽暦と太陰太陽暦との違い。デザインは文明の発達、都市化に貢献し、成長してきたこと。産業革命によるデザインの役割の重要性は、時には天体の運行(暦)を無視することをよしとし、反自然の面を持っていること。そろそろ大量消費の時代は終わり、持続可能なデザインへ転換する時期に来ている。
また、20世紀前半では、色彩においても「私の」が主流でしたが、20世紀後半には「私達」という二人称意識が生まれてきました。それは「パブリック(公共)」と呼ばれています。パブリック・カラーにも2種類があり、天然の色彩と人口の色彩です。このことについても詳しく解説されました。これに加えてパブリックである以上「色彩のモラル」哲学が必要なこと。続いて東京で小池岩太郎先生(東京藝術大学名誉教授)が設立された「公共の色彩を考える会」の経緯。1989年、広島での「公共の色彩を考える広島シンポジュウム」開催等々の説明がありました。このことが現在の「パブリック・カラー研究会」の発足につながります。暦の話からパブリックの色彩と環境問題について幅広く語っていただき、30周年記念の講演として重みのある内容となりました。 (大橋啓一)
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